ひびつみ
COLUMN

一行日記の書き方
1日1行の続け方と例文、何を書くか

2026年7月 ・ ひびつみ開発チーム

一行日記は、その名のとおり1日に1行だけ残す日記です。手帳の細い1行枠に書く人もいれば、5年連用日記の今日の段に書く人も、アプリに打つ人もいます。器はいろいろですが、考え方はひとつ。「ちゃんと書こうとするから続かない。だったら、量を最小まで下げてしまおう」です。

この記事では、一行日記に何を書くか(例文つき)、書けない日の逃がし方、そして一言日記・3行日記といったよく似た型との違いを、順番に紹介します。

一行日記の効用 — 「書く」より「残る」

1行で何が変わるのか、と思うかもしれません。実際、その日の1行だけを見れば、たいしたことは書いてありません。「ラーメンを食べた」「よく寝た」。それだけです。

変化が出るのは、たまってからです。1ヶ月で30行。ざっと読み返すのに1分かかりません。読み返せる密度に自然と収まっていることが、一行日記のいちばんの強みです。長文の日記は書くのも大変ですが、実は読み返すのはもっと大変で、多くの場合、書いたきり二度と開かれません。1行の記録は、あとから自分の1ヶ月を眺める道具として、長文よりよく機能します。

もうひとつの効用は、始めるハードルがほぼ地面にあることです。「今日は書くことがない」「疲れて文章が出ない」という、日記が途切れる二大理由のどちらも、1行なら深刻になりにくい。日記が続かない理由を1,157件のレビューから調べたとき、挫折の中心は「書く量と気力のミスマッチ」でした。一行日記は、そのミスマッチを最初から設計で潰した型です。

何を書くか — 型は3つあれば足りる(例文つき)

型① 事実をひとつ

昼にラーメンを食べた。/ 会議が3本あった。/ 雨で外に出なかった。/ 22時に寝た。

いちばん基本の型です。感想は要りません。事実は思い出せば必ずあるので、「書くことがない」が起きにくいのが利点です。

型② 事実+ひとこと

ラーメンを食べた。うまかった。/ 会議が3本。さすがに疲れた。/ 散歩した。頭がすっきりした。

余裕がある日は、事実のうしろに感想を足します。ポイントは順番で、感想から書き始めないこと。「今日はなんだか疲れた」から始めると、理由や説明を書きたくなって1行で終わらなくなります。事実を先に置くと、1行で自然に閉じます。

型③ 今日のいちばん

今日のいちばん: 夕方の風が気持ちよかった。/ 今日のいちばん: 娘が初めて自転車に乗れた。

「その日でいちばん印象に残ったこと」をひとつ選ぶ方式です。選ぶという小さな編集が入るぶん、読み返したときの満足度が高くなります。この方式だけを主役にした型はハイライト日記として別の記事にまとめています。

ビジネス書の「1行日記」— 振り返りとセットの型もある

「一行日記」という言葉は、ビジネス書の文脈では少し違う型を指すことがあります。伊藤羊一さんの『1行書くだけ日記』で紹介されるのは、やったことを1行書き、そのあとで「だから何だろう?」と自分に問い、気づきを言葉にするという、振り返りを主役にした方法です。

これは内省の道具としてよくできた型ですが、毎日やろうとすると「問いに答える」部分が重くなって続かない人もいます。続けることを優先するなら、毎日は行だけ貯めて、振り返りは週1回まとめてという分業がおすすめです。眺めるだけの振り返りのやり方は週次振り返りの記事に書きました。

続けるコツは3つ

  1. 書く時間と場所を固定する。「寝る前に、枕元の手帳に」「歯みがきのあとに、アプリに」。1行の作業は数十秒で終わるぶん、いつやるかを決めていないと存在ごと忘れます。すでにある習慣のうしろに貼りつけるのがいちばん確実です。
  2. 空白の日を失敗にしない。2日空いても、3日空いても、翌日1行書けばそれは「続いている」です。連続記録を守ることが目的になると、一度の途切れで全部やめたくなります。三日坊主は直さなくていいという記事に書いたとおり、大事なのは再開の軽さです。
  3. 言葉が出ない日は、点に逃がす。本当に疲れた日は、1行すら重い。そういう日のために「今日の気分を5段階から選ぶだけ」という逃げ道を用意しておくと、言葉ゼロの日も記録は残ります。気分の記録と一行日記は、同じ器の中で無理なく同居できます。

一言日記・3行日記との違い

よく似た名前の型がいくつかあります。正直に言うと、どれも「最小の日記」という同じ家族で、厳密な定義の違いを気にする必要はありません。

迷ったら、いちばん小さい一行から始めて、物足りなくなったら増やす。減らす方向より増やす方向のほうが、挫折感なく調整できます。

手帳に書くか、アプリに打つか

これは好みが分かれるところで、正直にどちらの利点も書きます。

手帳・紙の利点は、儀式としての手触りです。ペンを持って1行書く数十秒が、1日の区切りとして機能します。5年連用のような紙の道具は「去年の同じ日」が物理的に同じページにあるのも良いところです。弱点は、持っていない場所で書けないことと、検索や集計ができないこと。

アプリの利点は、いつも手元にあること、読み返しが楽なこと、そして書けない日の逃げ道(気分だけ選ぶ、など)を道具の側が用意してくれることです。弱点は、通知や広告のうるさいアプリを選ぶと、静かに書きたい気持ちと相性が悪いこと。選ぶときの正直な分類は日記アプリの選び方にまとめています。

よくある質問

Q. 何を書けばいいか、毎日迷ってしまいます。

「今日のいちばん」をひとつ選ぶ方式(型③)にすると、探す範囲が「印象に残ったことひとつ」に絞られて、迷う時間がなくなります。それでも迷う日は、直近1時間の事実(「お茶をいれた」)で構いません。

Q. 一行日記と一言日記、どちらを選べばいいですか?

中身はほぼ同じなので、器で選んでください。手帳や連用日記の行に書きたいなら一行日記、スマホにひとこと打つ感覚なら一言日記。呼び名の違いで、やることは変わりません。

Q. 三日坊主の常習犯ですが、今度こそ続きますか?

「必ず続く」とは言いません。ただ、続かなかった原因が「書く量が多すぎた」ことにあるなら、量を1行まで下げるこの型は、過去のどの挑戦よりも条件が有利です。あとは途切れた日を失敗と数えないこと。再開すれば続きです。

ひびつみ — 一行も出ない日は、点だけでいい日記

気分5段階とやったことをタップで選ぶだけ、10秒の日記アプリを作りました。書きたい日はひとこと(一行)を添えて、言葉が出ない日はタップだけ。どちらでも記録は同じ棚に積み上がります。たまった記録からは、あなたのデータでほんとうに言えることだけが返ってきます(データが足りないうちは、無理に言い切りません)。

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